活動報告

「沖縄戦の記述をめぐる、教科書検定意見の撤回を求める意見書」の提案理由説明 2007年12月13日

2007年12月28日

私は意見書案第19号「沖縄戦の記述をめぐって、教科書検定意見の撤回を求める意見書」について提案者を代表して提案理由の説明をいたします。

平成19年3月30日に公表された教科書検定の結果は、日本史の教科書に対して、沖縄戦による「集団自決」が「日本軍による強制された死」であること、日本の軍隊は、国家体制の維持のために、「国民の生命、安全を守る」ものではなかったとする記述に対して、「沖縄戦の実態について誤解するおそれがある表現」であるとし、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除、修正させました。「日本軍の強制」を不明瞭にした検定修正は、沖縄戦の教訓を教科書から消し去り、沖縄戦体験者が受けた日本軍による行為を消し去ることにつながります。

文部科学省は、意見修正を出した根拠として、日本軍による命令を否定する学説が出てきていることや、自決を命じたとされる元軍人らが起こした裁判などを掲げています。

しかしながら、係争中を理由にして、かつ一方の当事者の主張のみを取り上げることは、文部科学省自らが課す検定基準である「未確定な時事的事象について断定的に記述していることはないこと」を逸脱するばかりか、沖縄戦研究では当たり前のこととなっている「沖縄戦の事実」「歴史的事実」を歪め、沖縄戦体験者が受けた日本軍による行為を否定することにつながります。

沖縄戦では20万人余の尊い人命が奪われ、戦争体験者は忘れられなる事のできない戦場の光景を抱えるだけでなく、亡くなられた家族や親戚、友人などの死も背負ってこれまで生きてこられました。戦争体験者の体験をなかったものにすることは、今、生き残って体験者の存在までも否定し、犠牲者をも否定することになります。

悲惨な地上戦を体験し筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた沖縄県民にとって、今回の検定結果は到底容認できるもの打破ではありません。これまで、決して語ろうとしなかった戦争体験者の口を開かせるほどの怒りは大きな県民運動に発展し「沖縄戦の真実を教科書に」という一致点のもとに広がり、9月29日に沖縄県で、「教科書検定意見撤回」を求める県民大会が行われました。沖縄県議会をはじめ、沖縄県内の全市町村の議会が、教科書検定の意見の撤回と「集団自決」に関する記述の回復を求める意見書を可決、提出しました。

同様の意見書は全国の自治体であげられ、神奈川県においても鎌倉市議会をはじめ、いくつかの自治体であがっています。

こうした動きにおされて文部科学省は是正申告があれば応じる考えを示しています。しかし、問題の本質は、文部科学省が恣意的な検定修正意見をつけたことにあり、「是正申請」による決着ですまされるものではありません。

縄県那覇市と友好都市の関係にある川崎市の市議会として、沖縄戦の歴史を正しく伝え、悲惨な戦争が再び起こることがないようにするためにも、今回の検定意見を速やかに、撤回されるよう国に対して強く要望することが必要であると考えるものであります。議員各位におかれましては、この主旨を十分にご理解いただき、本意見書案にご賛同いただきますようお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。

2007年第5回川崎市議会定例会本会議で、12月13日斉藤たかし議員が、沖縄戦の教科書検定意見の撤回を求める国への意見書を提出するための提案と説明を行い全議員への賛同を求めました。

平成19年3月30日に公表された日本史教科書に対して、文部科学省は沖縄戦による、「集団自決」が「日本軍による強制された死」であり、軍隊は「国民の生命、安全を守る」ものでないとする記述を削除・修正させました。斉藤議員はこの検定意見は「沖縄戦の事実」「歴史的事実」を歪め、沖縄戦体験者が受けた日本軍による行為を否定し、さらに、今まで生きてこられた戦争体験者、亡くなれた犠牲者までをも消し去ることにつながると、訴え議員の賛同求めました。しかし、自民党、公明党、民主党が反対し否決されました。